それぞれの3.11 2024.3.11
2011年の夏の終わり。閖上での花火大会で。
この言葉が書かれた経緯を聞いた後、撮らせてもらった一枚
2011年の夏の終わり。
一人車を走らせ石巻、鮎川浜へ。金華山を望む。
ススキがたくさん何かを話しかけていた。。。
2022年11月28日 南相馬
ふと立ち寄った馬が祀られている神社の前で
実をつけていた
今年の3月11日も それぞれの3月11日に思いをよせて過ごすことにいたします。
今年は、昨年一緒に場をつくってくれた僧侶の木原さんが毎週月曜日に開催している
テンプルライブラリー(神谷町 光明寺 新館)で開催します。
よろしかったら どうぞ いらしてください。
いろんな思いが交叉する日。
ここ数年、この日はいつもこのようにして過ごしてきたように、
今年の3月11日も、「それぞれの3.11」を開きます。
毎回、案内を出す前に、これまでの開催記録を辿ります。
案内メール、写真、それから共に過ごした人が放った言葉とか表情とかを。
そして、もちろん、こういう場を開いていく背景になった、
2011年、2012年の仙台やいわき、そして松戸で活動していた時のことなどを。
能登半島の地震と共にはじまった本年は、なぜだか特に、2012年に「円居(まどい)の場」を
開いた時のことを繰り返し思い出しています。
「円居(まどい)の場」とは、「震災を経て表面化した問題、震災からの再生といったテーマを、
関心のある者同士が集まって、聴き、語り、考え、表現していく場」として
市民活動領域で担当していたプロジェクトです。
第2回(2012年12月)では、被災地ではない松戸で、
「被災者・避難者・支援者の枠組を超えて語り合おう」
というタイトルで開催しました。
あの頃は、「被災者・支援者」、
「被災した人・しなかった人」、
「活動した人・しない人」等々の「枠組み」に、
それぞれ自らがしがらんでいき、
その結果、人々が分断されていっているような空気感、
話していいこと悪いことを様子見するような空気感が
蔓延していて、
少なくとも私にはそう感じられて、、、
それに対して何か一石を投じたいと思っていたことを
思い出します。
どんな立場でも、どんな思いを持っていても構わない。
ただ、人としてこころを通じ合わせられたら、
ただただ聴き合える関係を取り戻せたらと願っていたように思います。
「役割」ではなくて、「人として」出会い直せる場を欲していたのだと思います。
それをしたことで、何かが解決したとか、世の中が生きやすくなったとか、
ましてや、社会が良くなったとかそういうことはありませんでした。
でも、このような場を開くと、「待っていました」といって、時には遠方からも、
人がやってくる、ということは起こっていた。
この時の体験の延長線上に、今回の「それぞれの3.11」もあるのだと思います。
なので、何かを目指して開催するわけではありません。
「今年も開くよ」と言ってみる。
来てくれる人がいたら、共に過ごす。
普段と少し違う時空間の中で、起こったこと、起こってきたことを振り返ったり感じたり。
他の人の物語に耳を傾けたり、伝わってくるものを感じたり。
偲びたい人がいる方もいない方も、話したい思いがある方もない方も、共に在る ということができたらそれでいい。
話したいこと、見せたいものなどがある方はお持ちください。ない方はどうぞ手ぶらでお越しください。
今年は、こんな企画に共感してくれた、
光明寺で月曜日に「テンプルライブラリー」という場を
開いている木原さんとユミユミと、
テンプルライブラリーの場をお借りして、
共同で開催します。
テンプルライブラリーは、神谷町(東京都港区)駅から
徒歩1分のところにある光明寺の一角にあるお部屋です。
普段は毎週月曜日にフラッと立ち寄れ、本も読める、メンバー限定の居場所としてオープンしています。
程よいタイミングでご本堂にもおまいりさせていただきましょう。
(谷口広樹さんという画家さんが描いた「釈迦の
一生」という本堂欄間の絵がとても素敵なんです)
2022年11月 案内してもらった、新たに建造物が建てられていく浜通り。
作られていく建物とおきざりにされていく暮らしとこころの狭間にゆらされ言葉が出なかった。
【それぞれの3.11】
場所: 光明寺 新館(テンプルライブラリー)
東京都港区虎ノ門3-25-1
日時: 3月11日
13時位から夕方17時までの間
(途中入室、退出OK)
流れ:
・当日の流れは、場をともにすることになった人たちとその日の流れで決めていきます。
・テンプルライブラリーは11時から空いています。
・「それぞれの3.11」の世話人のわたし(谷口)は、13時頃からちょっとした蝋燭かざりを作った り、来られた方と一緒に時間を過ごしていることと思います。
・14時46分には、黙祷して、木原さんと一緒に 声明かお経を唱えたいと思います。
※参加費は、お布施として光明寺さんのお賽銭箱へお入れください。
参加方法:世話人の谷口までご連絡を メールはこちらへ
〈企画によせて〉 (今年も私の思いは変わっていないため、2023年の案内文を再掲載いたします。)
「それぞれの...」をはじめた当初、
この日が形式的に慰霊をする日になっていくことや、
震災についてを「学ぶ」という教育的な匂いの日になっていきそうなこと、
それから○○の人のための日というふうに限定的に捉えられていくさまに
(みんなそれぞれに当事者なのに!)という反感があったりと、
力んでいたなと思います。
今は、そんな力みはなくなりました。
ただ、ほんとに、それぞれに3月11日があったのだから、それぞれがそれぞれに思うところを大事にしていられる日でありますようにということだけ願っています。
そんな中で、わたしは、やはり、
この日くらいはせめて普段と違う時間を過ごしたいという方がいたら、
わたしもそうだから、と一緒に過ごしたい。
そして過ごし方のあてがない方がいたのなら、どうぞご一緒にって声をかけられる場を開きつづていたい。
そんなわけで、
今年も、それぞれに3月11日があるんだよねということを
大事にしたい人と一緒にすごせたらと思います。
谷口起代
2022年の福島の浜通り再訪時の写真。
右側は、滞在させてもらった木戸の交民家
2012年度の「円居の場」から 数年を経て、
2020年「それぞれの3月11日へ」までの記録
2021年の永正寺での「それぞれの3月11日」